あごのずれと生活習慣

今月の話題はあごのずれと生活習慣です。あごのずれは生活習慣が原因である場合があります。

あごのずれは、噛み合わせのずれ、不正咬合、あごの変形、顔のゆがみの原因になり、さらに視力、聴力の衰え、斜頚、肩の高さの差、背骨のゆがみ、骨盤のゆがみなど、その影響は体全体に及びます。これらは頭痛、肩こり、腰痛、疲れやすい、だるい、根気が続かないなどの原因となります。さまざまな病気の誘因ともなります。特に痛みなどがあるわけではないですし、いつの間にかそうなっていたといった発現の仕方をするため、歯科医師に指摘されるまでは気にもしないことが多いものです。

中学一年生470人を対象に調べた統計では、470人中108名(23%)に2mm以上のずれがありました。このグループの人たちを調べたところ、84.3%に横寝、うつぶせ寝の習慣がありました。ずれのない人たちでは、横寝、うつぶせ寝は70.4%でした。これだけの差がでるのは、統計的に100分の一以下の確率です。あごのずれと横寝、うつぶせ寝には関連があることがわかりました。

横寝、うつぶせ寝の圧迫側の顎関節は機能異常が多く、カクカク音がしたり、痛みが出たりしやすく、その意味でも横寝、うつぶせ寝はよくありません。また、頬づえなどの癖もあごのずれを起こします。左右の骨盤の高さを比べてみて、高いほうの側の、上の歯の最もうしろの奥歯は噛み癖から外に押し出されることが多く、ともすると下の奥歯とすれ違ってしまう噛み合わせになります。このようなすれ違いのかみ合わせが起こると顎は歯が原因で、ずれてしまいます。足を組む癖があった場合、組み足と反対側にあごがずれることもよくあることです。

あごのずれが、歯が原因となっている場合は、矯正歯科治療でずれを治すことができます。生活習慣が原因の場合は、その癖を直さないとずれは治りません。