歯を抜かない矯正治療について
非抜歯矯正歯科治療
山下矯正歯科医院は、なるべく歯を抜かない矯正治療(非抜歯矯正歯科治療)を行っています。
しかし、山下の矯正治療は単に抜かないことを目的としているのではありません。健康のためには歯の数がきちんとそろっているほうが良いでしょう。噛み合わせは全身と関連しています。逆に言えば全身も噛み合わせに関連しています。身体を触れば、噛み合わせも変わりますし、噛み合わせが変われば身体も変わります。 抵抗力のある身体でいるためには歯の数に不足がないほうがよいのです。そしてさらに歯の機能を最大限に引き出すこと、すべての歯で気持ちよく噛めること、老年になっても使える歯であること、そして歯が全身的な役割をきちんと果たしていること、を目的として矯正治療を行います。結果として小臼歯の抜歯の必要が少なくなります。言い換えれば全身主義、全歯主義の結果として非抜歯矯正治療が生まれます。そして治療の鍵は大臼歯です。今までの矯正治療は前歯を中心とした理論によって、組み立てられています。大臼歯は二の次でした。全身についてはさらに考えもしていませんでした。新しい矯正治療は、歯の中で最も大事な大臼歯を中心に考え、そこから治療を組み立てます。大臼歯を適切な位置、角度に置いたとき、結果としてスペースができ抜く必要がなくなります。全身のバランスも大臼歯が適切な位置にないとバランスが取れません。大臼歯の位置が適切になると前歯の位置もおのずと良い位置に位置します。イコライザーとしての小臼歯もその機能を発揮します。結果的に歯列全体が身体の中でよい位置に収まり機能を果たし始め、さらに自然な歯列が、全身のバランスに寄与していきます。ですので実は抜歯か非抜歯かの確定診断は大臼歯の位置が適正な位置と角度になったときに初めてできることになります。先に歯を抜いてしまうと歯列の完成には歯の数が足りなくなってしまいます。歯の数がそろっていたほうが大臼歯の機能の引出しには断然有利です。
治療コーナーを見ていただきたいのですが、大臼歯の機能を引き出すことにより、その人の顔つきが変わります。コーディネイテッド・アーチ・ディベロプメント(CAD)された歯列弓はその人の顔貌を変えます。首の骨の湾曲が適正になることにも貢献します。
大臼歯の改善により、萎縮していた身体が力を取り戻します。矯正治療には全身からの計り知れない効果があります。
大事なことは、噛む力に対して大臼歯がまっすぐ機能していることです。不正歯列の場合には、ほとんどの歯が傾斜しています。そのため噛み合ったときに歯にかかる力は歯をさらに倒そうとする力になります。年とともに歯並びが変わる原因の一つはこのためです。内側に倒れた歯は、卵の殻が破れるようにひとたび崩れるとどんどん壊れていく傾向を持ちます。噛む力に対してまっすぐな歯は、一つ一つが強いため安定性が高いのです。歯の持ちが良いと言われています。
大臼歯から伝わった力が頭蓋骨の中で、適正に放散されているかどうかも問題です。大臼歯の位置が大切です。大臼歯はねじれていてもいけません。ねじれていると歯の当たりが適正でないので、噛むたびに歯の位置は変わろうとします。噛んだ力が頬骨に速やかに伝わるような位置に大臼歯はあってほしいのです。
私達日本の矯正歯科医の非抜歯の技術の高さ、質の高さはアメリカ矯正学会で賞を獲得していることで証明されます。初めから4本の永久歯をあきらめてしまうのは、いろいろな意味であまりにも犠牲が大きいものです。抜く前に大臼歯の位置付けをしてからでも良いのではないでしょうか。抜いてしまってからでは元に戻りません。矯正治療も進歩しました。従来であれば抜かない治療は無理だった場合でも今は可能です。そして何よりも大臼歯の機能を回復することはその人の人生を一変させます。どうぞ治療例をご覧下さい。山下が手を貸すことにより、人生が明るくなった人たちがたくさんいます。そして山下の願いもそこにあります。矯正歯科治療では単に歯並びだけが変わるのではありません。明るい前向きな人生に少しでも手を貸せるかもしれません。
大臼歯を中心とした考えによる治療で、大臼歯の位置をしっかりさせてから診断すると、多くの場合で抜歯は必要なくなることがあります。大事なのは大臼歯です。
矯正歯科治療は見た目だけのものではなく、見た目以外の効果がとても大きいのです。
噛み合わせは聴力にも影響があり、視力にも関係があります。世界に先駆けた日本の研究では、特定の周波数の聴力と、それに対応する歯の噛み合わせの良し悪しとが、関連していることが報告されています。東洋医学でも、それぞれの歯は、それぞれ関連する臓器を持っていることがいわれています。全身的にも姿勢が良くなったり、体のバランスが良くなった子もいますし、学校の成績が上がった子もいました。大人の方でも風邪をひかなくなったという方もいました。
身体の健康の為に、大臼歯の十分な機能を与えるために、抜かない矯正治療を第一選択とし、ヒト本来の機能を引き出すよう、治療を行います。また、虫歯にならないよう取り外しのできる器械を多用します。ウ蝕のリスクを下げるために、そして全身のためにもワイヤーでつなげる期間を極力短くします。上顎骨は真ん中で割れていて呼吸とともに開いたり閉じたりしているからです。鉢巻が嫌いな方も多いと思います。頭蓋骨も縫合で広がったり閉じたりしています。右と左をつないで固定してしまうことは身体にとってはベストなことではありません。最近の摩擦の少ないブラケットはその意でも身体にとって最適です。山下矯正歯科医院ではフルバーシブ矯正システムをお勧めしています。セルフライゲーション型マルチブラケット装置では、ワイヤーの摩擦が少ないため、頭蓋骨の呼吸が阻害されません。治療中の痛みも少なく、快適な治療期間が送れます。