小児矯正が大切な理由とメリット

当然のことですが、よく噛めるようになる。免疫力を高める。

歯の型をとるとわかりやすいのですが、不正咬合では噛み合わせても歯と歯の間に隙間ができてしまい、噛んでも噛んでも食べ物は潰されません。矯正治療を行うと噛んだときに隙間なくきちんと噛めるようになります。歯は上下がギアのように噛みあってはじめて食べ物が潰れます。ずれるとギアの山と山が当たるように点と点が当たるだけで谷と谷の間に食べ物が逃げてしまい潰れません。

噛めることで目や脳の発育によい影響がもたらされます。咀しゃくは顔の筋肉と関連があり、視力にも影響を及ぼしています。よく噛む子の視力は良く、噛まない子の視力は低いという結果が出ています。上顎骨の一部は眼窩を形成する壁の一部でもあります。眼窩の形がしっかり保持されると視力も上がるのは当然でしょう。また、脳の血流量は、咀しゃくによってきわだって増えます。これを脳が発育しつつある子供たちで考えてみれば、噛む子は食事のたびに脳へ酸素と栄養が行き渡り、脳の発育を助けます。噛まない子はどうでしょうか?それなりに、ということでしょう。矯正治療をした後で飛躍的に成績が伸びた子もいます。

上顎前歯の状態によっては、自分では唇を閉じようしても、閉じられず、どうしても唇が開いてしまい、口呼吸となってしまう場合があります。唇が開いてしまえば口呼吸となり、口呼吸では免疫力低下となり、アトピー、アレルギーの原因ともなります。歯並びが原因ですので矯正治療をしないとこれはどうしようもありません。上顎の幅の発育が未発育な場合は、上顎を矯正治療で拡大します。狭窄した歯列の弊害は非常に大きく、正常な大きさになればその上部にある鼻の通る道も広くなり、鼻呼吸のしやすい態になります。アレルギー性鼻炎、アトピーの改善にもプラスの効果をもたらします。

あまり知られていませんが、上顎前突の場合転んで前歯を折ることが非常に多く、危険です。 歯科医師の皆様に山下矯正歯科は提案します。補綴の先生方には考えられないことでしょうが、通常矯正歯科では、調節湾曲を全く消してしまうようにします。学生実習のときに行ったようにガラス練板の上に隙間なく平らにワイヤーを屈曲し、それを口腔内に装着し、矯正治療します。最終的には湾曲のないまっ平らな歯列を作り上げるのですが、まっ平らな歯並びでは、クリステンセン氏現象が側方、矢状に現れてしまい咬合干渉の最たるのになることは明らかです。もちろん天然歯列で調節湾曲のない歯列は皆無です。物を噛むための歯並びには矢状、前頭の各平面に対して調節湾曲が必要であり、生理的機能のためにはこれは必ず付与するべきと思います。人の身体は一人一人みんな違います。調節湾曲は左右でもちがうことが多くあります。それは腰の左右差と関連します。あまりに差があるのはよくないのですが、多少の差はあることは容認しないといけません。これは総入れ歯にも通じることです。左右差のある人に対象な歯並びを作っても噛めません。すりきれた昔の入れ歯の方が新しい入れ歯よりしっくり噛めるのはこんなことも関係しています。山下矯正歯科では個人個人に合わせた調節湾曲を作ります。身体との関連を考え、背骨の形態と関連させた形態に歯列を調節し、いわゆる個性正常咬合を目指します。

治療によってアゴの骨の発育を正常化し、頭部顔面部の発育のバランスがよくなる。

歯並びのせいで、顎の骨が未発育になったり発育異常を起こしているケースを非常に多く見ます。例えば上顎側切歯(上の歯の、真中から2番目の歯)が内側に生えていて、噛み合ったときに下顎側切歯(下の歯の、真中から2番目の歯)が上顎側切歯の根元に噛み込んでいる場合、下顎はほとんどの場合前方方向に成長できず、下顔面部の発育が悪いタイプの顔(顔を横から見たときに顎が引けた顔)になります。病的なものを除いて、 顔を横から見たときに顎が引けた顔は小さいときの噛み合わせがひとつの原因になっています。

発育が悪くて歯列の狭い上顎の場合は、そのすぐ上にある鼻の幅も狭く、空気の通り道が狭く、鼻詰まりを起こしやすい。慢性鼻炎を引き起こしやすい形態です。これが口呼吸とあいまって近いところにある耳や目に波及し、アレルギー性中耳炎、アレルギー性結膜炎の原因ともなります。

またその狭い上顎のために上顎歯列弓が狭いままでいると、自分で下顎を奥に引き込んでしか噛めません。スリッパの原理です。子供用のスリッパを大人がはこうとしてもつま先はスリッパのつま先には届かず、後ろの方に足は止まってしまいます。下顎は同じ原理で後方へ引き込まれます。このような子供の顎のレントゲン写真を見ると、顎関節の頭の部分は非常に短いままです。これが下顎が後退しているための上顎前突(出っ歯)になる最初です。上顎前突の多くの症例は、最初はこの状態で始まっています。ですからこの場合は上の前歯を後ろに動かすのではなく、邪魔になっている上の歯を適正な位置に移動し、正しい位置(バランサーとしての位置)で下顎が噛めるようにします。そうすることで、関節の頭の部分が適正に成長して大きくなり、下の顎が正しい位置で安定します。下顎は身体のバランスもとっていますので、下顎が正しい位置にあれば姿勢もよくなります。まして姿勢が悪くて顎が引っ込んだ子の場合に、さらに上の歯までも下の歯に合わせて後ろに押しやってしまえば、泣きっ面に蜂ということで、良い事はありません。何かのきっかけで身体が回復し、顎の位置が正常な位置に戻った場合、今度はどこで噛んだら良いのかわからないということになります。

成人で、ウォーキングをするようになり、身体の健康を取り戻すと、上の前歯の隙間が空いてくる人がいるのはこの理由です。よくない歯列が原因でその人の姿勢を変えられないことは、歯列が全身の健康にもかかわるということです。子供のうちに下顎を奥に引き込む構造を治せば下顎の関節部分の発育を正常な大きさと形に戻すことができます。小さな顎で一生過ごすよりはるかに健康な生涯が過ごせるのです。放置していると、身体の構造も顎が引けた状態でバランスをとろうとするため、猫背や曲がった姿勢に身体の骨格的構造からなってしまします。歯科矯正治療をすることで身体全体が治るきっかけが得られ、バランスの取れた顔の発育が導かれます。同時に抜歯の必要も少なくなります。将来の顔かたちも、顎が引けたままでいれば歯並びも悪い上に、顎の小さな顔に固定してしまいます。子供の頃の噛み合わせで大人になっての顔かたちまで影響されます。噛み合わせと身体は強固にリンクしています。

性格が明るくなる

成人はもちろん、子供であっても成人と同じく歯並びが悪ければ歯並びに対してコンプレックスを持ちます。心理面での影響は本人の性格の形成にも強く影響します。自分に自信がつき、明るく、積極的になります。