中学生の矯正治療の期間について

中学生の矯正治療の期間について

今月の話題は中学生の矯正治療の期間についてです。

矯正治療は内容にもよりますが、開始して概ね1年から3年程度の期間が必要です。

下顎の過成長傾向がある場合はスタート自体ができないことがあります。

乳歯が残っており、後続の永久歯の位置がどのくらいの位置にあるのかによっても、すぐに開始することができる場合と待つ必要がある場合とに分かれます。

未萌出の第2大臼歯がどの位置にあるのかも考慮が必要です。

治療後半での不正な位置への萌出により、治療期間が延長されることがあります。
これはワイヤー矯正でもマウスピース型矯正装置による場合でも治療期間はそれほど変わりません。

短い期間で終了できる場合について

治療に必要な移動が限局している場合はマウスピース型矯正装置を使うと、短い期間で終了できることがあります。
マウスピース型矯正装置は移動を行う歯と移動を行わない歯の厳格な区別が可能なため、このようなことができます。

現在どのような状況であり、どの程度の移動が必要なのか、さらにはどのような治療補助装置が使われるかにより治療期間は変わります。

不正咬合の発生した原因にも左右されます。

必要な歯の移動の距離が小さい場合は治療期間は少なく済みますが
移動距離、移動の順番に配慮が必要な場合は期間は長くなります。マウスピース型矯正装置ではどの程度のIPRが見込めるかが治療の期間に関係します。

中学生の場合歯が萌出しきれていない場合も多く、またIPRは非可逆的な処置であるため
若い年齢でのIPRの量はできれば少なくし歯の移動を多めにする治療計画を立てることが良いでしょう。

マウスピースを使用する上での要点

マウスピース型矯正装置を使用する場合は、きちんと20時間以上装着し、チューイをしっかり使うかどうかで
マウスピース型矯正装置の再製の回数を減らすことができます。

再製には少なくとも1か月程度の期間のロスがあり、治療期間が延長します。

治療の途中で虫歯の治療が必要になった場合もマウスピース型矯正装置の再製が必要になり、その結果治療期間が延長します。

マウスピースが向かない場合

非抜歯による矯正治療のために大臼歯の遠心移動がたくさん必要な場合は
マウスピース型矯正装置よりも固定装置のほうが移動の量は期待できます。

固定装置による遠心移動を行ってからマウスピース型矯正装置を使うことで、非抜歯による矯正治療の成功率が上がります。
治療にアンカースクリューを併用することで治療期間を短縮することもできます。

ですがアンカースクリューは歯列全体の遠心移動はできません。

歯列の前方部、または後方部分の後方への移動支点、または保持支点として利用されます。

大臼歯の遠心移動を行うにあたり、補助装置としてアンカースクリューを使うと移動後の戻りが無いため
計画通りの結果が得られます。