態癖
今月の話題は態癖です。態癖とは日常の生活習慣の中で無意識に行っている癖をいいます。この癖が大きな影響を体に与えています。歯科で特に気をつけるべき態癖は頬杖と睡眠時の癖です。
歯並びを見ると、でこぼこであったり、V字型であったりしますが、全く法則性もない、でたらめな歯並びになっていることはありません。丸いお椀のようなU字型を正常な形として、そこから粘土細工のように指で圧迫すれば、簡単にその形が自分でも作れそうな形であることがほとんどです。そのような規則性を持った変化が、実は実際の歯並びにも起こっていることがわかっています。その主な原因が態癖です。
骨はわずか5グラムの力でも、長時間かかると変形します。頬杖でかかる力はもっと大きな力です。そのため、顔は簡単に右に左にゆがんでしまいます。歯並びも、アゴも、変形させられます。歯並びの左右どちらの側に八重歯ができたか、でこぼこがどこにできたか、受け口でなく上の前歯が出てきたのはなぜか?ほとんど原因が類推できます。本を読んでいるとき、パソコンをしているとき、勉強をしているとき、テレビを見ているとき、頬杖はついていませんか?片手でやっていますか?交互にやりますか?両手でやっていますか?寝床で本を読んでいませんか?出っ歯になってしまいます。寝そべって本を読んだり、テレビを見たりしていませんか?体育座りでアゴをひざに乗せていませんか?もしやっていたら今すぐやめましょう。
寝ているときは横寝ですか?うつぶせ寝ですか?両方だめです。頭は4キロから5キロ以上あります。この重みが8時間もかかると確実にアゴも歯列も変形します。ぐるぐる回るから大丈夫と思っていませんか?多方向から変形力がかかります。逆方向でも相殺することはありません。枕はどこにありますか?あごが枕に押し付けられていませんか?寝ているときに手が顔にさわっていませんか?手の重みだけで歯並びは変わります。圧迫が関節であれば顎関節症を誘発します。さらに顔の変形は体の変形も誘発します。