10歳女の子「出っ歯が気になる」ワイヤーの装置と奥歯を後ろに移動させる装置を組み合わせて、歯を抜かずに矯正した症例
治療前
治療後
主訴 | 「出っ歯が気になる」とのことでご相談いただきました。 |
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診断 | 拝見したところ、上の歯がきれいに並ぶためのスペースが不足しているため前歯が前方に飛び出している、重度の「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」でした。 歯が唇の邪魔をしてしまうので口元に突き出し感があり、口が閉まりにくく口呼吸になるなど生活にも影響が出ていらっしゃいました。 上下の歯のかみ合わせも悪く、あごや奥歯に負担がかかっており、歯のもちに問題が起こりやすく、早期の歯の喪失に繋がるリスクも考えられました。 |
治療内容 | 四角いボタンのような小さい装置を歯に接着し、ワイヤーを通して歯を動かす「マルチブラケット装置」と、奥歯を後方に移動させる「遠心移動装置」を用いて、前歯を後ろに下げてスペースを確保して前歯をきれいに並べる治療方針をご提案しました。
前方へ押し出されている程度が重度であり、歯列の後方への移動量がとても大きなケースでした。 前歯が大きく前に出ているので、通常であれば前歯の隣の歯(第1小臼歯/4番)を抜くことを勧められる症例ですが、奥歯から動かしてスペースを作ることで歯を抜かずに治療できることをご説明し、患者様にも同意していただきました。 |
年齢 | 10歳女の子 |
治療期間 | 2年8ヶ月(30回) |
費用 | 治療費650,000円(その他に調整費・消費税が必要) |
術後の経過や現在の様子 | 前歯がしっかり後ろに下がってきれいに並び、かみ合わせも改善して前歯でかめるようになりました。 横から見たときの口元が突き出した感じがなくなり、口も閉じやすくなって口呼吸もなくなりました。 この治療結果は専門の矯正歯科医でさえも驚く治療結果です。4本の小臼歯の抜歯をしなければこのような結果は出せないと通常は考えます。私自身も、もしかしたら途中で抜歯の治療に切り替えないとだめかもしれないとお母様にはお断りして治療を開始したケースです。 患者様やお母様からは「歯を抜かずにきれいな歯並びになって大変満足している」とお喜びいただいております。 |
治療のリスクについて | ・治療中は発音がしにくい場合があります。 ・矯正中は舌が動かしにくいことがあります。 ・治療中に装置によってまれに頬の内側が傷つき、口内炎になることがあります。 ・歯の移動に伴って違和感や痛みを感じる場合があります。 ・歯が移動する際に、冷たいものを飲んだときに歯がしみる「知覚過敏」の症状が出る場合があります。 |