インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置)には、見た目がきれいなこと、歯ブラシがしやすいこと、などたくさんの良い点があります。

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今月の話題はインビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置)です。
インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置)は、マウスピースを使って矯正治療を行う治療方法のひとつです。アメリカの会社が提供しています。個々の歯の位置と形をコンピューターに取り込み、バーチャルシュミレーションにより、コンピューター上で少しづつ歯を動かし、歯並びを治す道のりを作ります。
作製会社のコンピューターエンジニアと矯正歯科医が治療計画を検討し、治療の道筋を何回かやり取りしながら完成させます。1枚のマウスピースで動かすのは0.25mmです。治療の行程を0.25mmづつの動きに分け、分けた数の歯型を3Dプリンターで造型し、その型でマウスピースを作ります。0.25mmづつの動きなので、手数のかかる治療の場合は総計80枚や90枚になることもあります。
マウスピースは、10日から2週間で交換します。1日の装着時間は20時間から22時間です。食事の時間以外は装着します。水以外の飲み物は着色するので、飲むときは外します。
治療を進める中で、マウスピースと歯並びが合わなくなることがあります。柔らかい素材を使うため、使っていく中で変形やたわみなどがあるためです。使い方の誤りが原因のこともあります。プラスチックのカバーで押さえて歯を移動させるため、中で歯をしっかり把持しきれていないことが原因であることもあります。
移動を確実なものにするために、歯に白いプラスチックの突起を接着し、それをハンドルにして歯を移動させます。それでも50%の移動量、悪い時は40%の移動量という研究発表がありました。もし、計画から外れたままでマウスピースを取り換え続けると、実際に歯が動いた分と、コンピューター上でバーチャルに書き上げた歯の動きとがさらに解離します。
治療が長期になればなるほど道を外れる確率は増します。
大きな解離は歯に対して予定以外の方向への動きを強制してしまうこともあります。
マウスピースを使うよりも早く進められる治療、マウスピースを使うよりも適した治療方法がある場合は先にその治療を行い、道のりを減らすことでマウスピース治療全体の移動量を減らし、より少ない枚数で治療できるように計画することがあります。マウスピース単独で行うよりも枚数が減るので、解離の確率を減らすことができます。
一部の解離が大きな場所は部分的な針金などで修正し、予定の道筋に戻します。それでも不十分な場合はもう一度歯型をとり、治療計画をその時点から作り直します。最初から2回のマウスピースを予定することもあります。

本国アメリカで多くの人に受け入れられているマウスピースによる矯正治療は、今まで針金治療に躊躇していた人には朗報です。
見た目がきれいなこと、歯ブラシがしやすいこと痛みが少ないこと、たくさんの良い点があります。小学校高学年から始められます。