11歳男の子 奥歯を後方に動かしたあとワイヤー装置による矯正治療で歯を抜かずに歯並びを整えた症例
治療前
治療後
主訴 | 「なるべく抜歯をせずに歯並びを整えたい」とご相談いただきました。 抜歯以外の方法がないかインターネットでお調べのうえ、お母様と一緒に当院に来院されました。 |
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診断 | 拝見したところ、上下の前歯に歯がずれたりねじれたりして生えている重度の「叢生(そうせい)」が認められ、ガタガタした歯並びになっていました。 とくに、上の前歯が正しい位置に並ぶためのスペースが不足しており、通常であれば抜歯が必要となるケースです。 併せて奥歯の噛み合わせを確認した結果、上の歯並びが通常より前方に出ている「アングル2級」の状態でした。 |
治療内容 | 歯並びを整える方法として、固定式の装置で上下の奥歯を後ろに動かす「遠心移動」を行いスペースを確保したあと、ワイヤー装置を用いて前歯の叢生を解消する矯正治療を提案しました。 遠心移動によって抜歯を回避できる可能性があることに加え、奥歯の噛み合わせがバランスの良い「アングル1級」に整うことを説明し、治療に同意いただきました。 ただし、奥歯の遠心移動が十分に行えなかった場合、噛み合わせの位置はアングル2級の状態のまま、上左右の小臼歯(4番目)を1本ずつ抜歯をして、スペースを確保してから歯並びを整える必要があることもお伝えし、了承いただいています。 まず上下奥歯の遠心移動を行うにあたり、上あごには固定式の「遠心移動装置」を、下あごには唇や頬からの圧力を抑えて歯並びを広げる「リップバンパー」を装着し、スペース不足を解消しました。 |
年齢 | 11歳男の子 |
治療期間 | 3年 |
費用 | 650,000円 |
治療のリスクについて | ・治療中、発音しにくい場合があります ・治療中、舌が動かしにくいことがあります ・治療中、装置によってまれに頬の内側が傷つき、口内炎になる場合があります ・歯の移動に伴って、違和感や痛みを感じる場合があります ・冷たいものを飲んだときに歯がしみる「知覚過敏」の症状が出る場合があります ・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります |