10歳男の子 奥歯を後方移動させる遠心移動装置とマルチブラケット装置を併用し抜歯をせず出っ歯を改善した症例

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治療前

治療後

主訴 「出っ歯を治したい」とご相談いただきました。
診断 拝見したところ、下の歯並びに対して上の歯並びが前方にずれている噛み合わせ「アングル2級」で、いわゆる出っ歯の状態でした。

さらに出っ歯のため上下の前歯が噛み合わず、横から見たときの口元が前方に突出しており、下の前歯はデコボコに並ぶ「叢生(そうせい)」もわずかに見られます。

このまま放置すると、見た目が良くないだけでなく、前歯の噛み合わせの悪さから奥歯に負担がかかり、将来的にあごの関節周囲が痛む「顎関節症」を引き起こす可能性があります。

以上のことから、早めの矯正治療が必要と診断しました。

治療内容 歯並びを整える方法として、以下2つの治療を提案しました。

①歯を正しい位置に並べるスペースを確保するため、上下左右のそれぞれ計4本を抜歯してから矯正治療を行う方法
②抜歯をせずに上下左右の一番奥側の歯をそれぞれ後方に引っ張る「遠心移動」により、歯を並べるための隙間を作りながら矯正治療を行う方法

それぞれについて丁寧に説明したところ、患者様は「歯を抜かずに治療したい」との理由から、②の抜歯しない矯正治療を希望されました。
②の場合、歯の動きが悪く計画通りに治療が進まない場合は、抜歯が必要になる可能性があることも併せて説明し、治療に同意いただきました。

治療の際は、歯に接着した四角いボタンのような小さい装置にワイヤーを通して歯を動かす「マルチブラケット装置」と、奥歯を後方に移動させる「遠心移動装置」を併用しています。
マルチブラケットと遠心移動装置を組み合わせることで、しっかりと奥歯を遠心移動させながら、前歯も適切な位置に動かすことが可能です。

3年を経て歯並びと噛み合わせを整えたことにより、治療中に生えてきた前歯から7番目の奥歯も正しい位置に並び、口元の突出感が改善しました。

年齢 10歳男の子
治療期間 3年0ヶ月(31回)
費用 650,000円
術後の経過や現在の様子 歯並びがきれいに整い、噛み合わせも良好になりました。
矯正治療後は後戻りを防ぐために保定装置をつけていただき、定期検診で経過を観察しています。
治療のリスクについて ・治療中、発音しにくい場合があります
・治療中、舌が動かしにくいことがあります
・治療中、装置によってまれに頬の内側が傷つき、口内炎になる場合があります
・歯の移動に伴って、違和感や痛みを感じる場合があります
・冷たいものを飲んだときに歯がしみる「知覚過敏」の症状が出る場合があります
・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります

矯正治療のリスクについてこちらをご確認ください。