10歳女の子 奥歯を後方に動かす装置とワイヤー矯正を使い八重歯になりそうな歯並びを抜歯せずに改善した症例

このままの状態を放置すると、八重歯になるだけでなく、歯ブラシをうまく当てられず、虫歯や歯周病になるリスクが高くなるため、矯正治療で歯並びを整える必要があると診断しました。

①抜歯矯正：前歯の隣の歯を抜くことで、歯を動かすスペースを作り歯並びを整える方法
歯を並べるために必要な隙間を十分に確保できる一方で、抜歯による痛みや歯の移動量が多いため、治療期間が長くなることがある

②非抜歯矯正：歯を抜かずに、歯並びの幅を広げたり歯を後方に移動したりすることで、歯並びを整える方法
抜歯矯正に比べると歯の移動量が少ないが、抜歯矯正よりも治療期間の短縮が期待できる

それぞれのメリット・デメリットを説明したところ、患者様は非抜歯矯正を希望されました。

以下の流れで治療を進めました。
まず「遠心移動装置」を使用して奥歯から後方に動かし、前歯を正しい歯並びにするためのスペースを確保します。

十分なスペースができたところで「ダイレクトボンディングシステム法」によるワイヤー矯正を行いました。
ダイレクトボンディングシステム法は、上下の歯の表面にボタン状の装置（ブラケット）を装着し、そこにワイヤーを通して少しずつ歯を動かし、歯並びやかみ合わせを整える矯正治療です。

遠心移動装置で確保したスペースを利用して、ワイヤー矯正で前歯を正しい位置に並べ、治療を終了しました。