次亜塩素酸水
今月の話題は次亜塩素酸水です。次亜塩素酸は厚生省認可の食品添加物です。環境・人体にまったく無害な除菌薬です。次亜塩素酸は人体内でも産生されており、細菌などの異物を分解する重要な役割を担っています。血液成分である好中球には、ミエロパーオキシダーゼという酵素が大量に存在し、この酵素が次亜塩素酸を作り出し、異物除去を行っています。
次亜塩素酸は雑菌に接触すると瞬時に除菌し、普通の水に戻ります。同時に優れた消臭力も発揮します。EO水と比べてもその殺菌力は同等な力を持ち、さらに多くの利点を持っています。EO水は超酸性ですので金属をさびさせる副作用がありますが、次亜塩素酸水は中性に近い弱酸性ですので金属をさびさせません。EO水は細菌の菌体を爆発させて殺菌しますが、菌体の毒素(菌体内毒素、菌体外毒素)はそのままにあるため、毒素による影響は毒素が物理的に排除されない限り続きます。次亜塩素酸水は菌体内毒素、菌体外毒素をも分解します。アレルギーなどの発生源の除去にも有効です。花粉なども取り込みます。バイオフィルムの破壊も行います。
山下矯正歯科ではこの次亜塩素酸水の噴霧器を待合室に設置しました。超音波噴霧器は次亜塩素酸水を3mμの小さな粒子にし(ドライミスト)、このミストは2時間程度空中で漂い、空気の流れに乗って拡散し、院内全体の除菌と加湿を行います。ミストはマイナスに帯電し、滝つぼ付近の爽やかさを作ります。(レナード効果)インフルエンザ予防にも効果があります。次亜塩素酸の噴霧は、ホテルのロビー、客室、病院の待合室、病室、診察室、オペ室、介護施設、幼児施設、動物病院、養鶏場、養豚場など、広く行われています。食品製造業や水産加工業などでも、食中毒予防対策として使われています。