しゃくれ・受け口・下顎前突とは?

  • ホーム
  • しゃくれ・受け口・下顎前突とは?

しゃくれは上下のあごの大きさで、下顎の大きさが上顎に比べて大きく、下顎の前歯の位置が上顎より前方へ出てしまうことにより、本当は上顎の前歯のほうが下顎の前歯よりも前にあるはずなのに上顎の前歯より下顎の前歯のほうが前になってしまう噛み合わせです。

遺伝的に下顎が大きく成長することでそのような噛み合わせになる場合と、下顎の癖が原因で反対咬合になってしまう場合の2種類があります。

遺伝が原因の場合は今の医学では遺伝で決まっている骨の大きさを小さく止めることができないので、基本的には顎の成長が止まって、もうそれ以上成長しない年齢まで待ち、完成した上下のあごの大きさに対して適切な治療を行うことになります。

下顎の癖が原因で反対咬合になってしまう場合は、早期に歯並びの形と噛み合わせを治すことで、後天的な影響を減らして、さらなる悪化を最小限にとどめます。小さいうちから反対咬合でいることは下顎の大きさを遺伝で決められた大きさよりさらに大きく伸ばすことになります。

遺伝的にそれほど大きくならないはずの下顎でも、反対咬合でいることにより、後天的に下顎の成長が引き出されて、下顎の骨の大きさが予定よりも大きくなってしまうわけです。

この分の下顎の大きくなる分は余計なものなので、小児のうちに手をかけて極力無いようにします。ただ、そのように早期から手をかけても、結果として14歳のころに反対の咬合になってしまうこともあります。これは遺伝の問題があるためです。遺伝的にどこまで下顎が大きくなるかはその年齢になってみないとわかりません。もちろん早期の治療が無駄だったわけではないのですが、続きの治療を必要とすることがあります。遺伝的要素と機能的要素は両方持っていることが多く、遺伝的要因が何%で、機能的な要素が何%含まれているかは小児のうちはわかりません。