歯並びが悪くなる原因とは?

なぜ不正咬合になるのでしょうか

歯並びが悪くなる原因は何でしょうか。従来、世間的には親の歯並びが遺伝したというように言われてきました。しかし、原因は遺伝だけではありません。同じ兄弟でもいい歯並びの子と悪い歯並びの子がいるように、親の歯並びがよくても、悪い歯並びの子がいるように、個人個人の問題が原因となって不正咬合は発生します。余談ですが、特に兄弟で上顎前突と下顎前突になる場合があります。そして奇妙なことにほとんどは兄が上顎前突、弟が下顎前突になることが多いようです。これはどのような意味を持つのでしょうか?ある答えを私は持っているのですが、あなたはどう思いますか?

姿勢が悪い(ほとんどは歩きが足りないことが原因)

日常の姿勢が悪いと下顎が奥に移動してしまい、噛み合わせが変化して、歯並びも変わってしまいます。この場合の姿勢は小さいときからのしつけがどうであったかによります。きちんとしつけられた生活習慣がよい姿勢をつくります。小さい頃からのしつけでその子の人生も変わります。今の子供達はやらなくなってしまいましたが、雑巾がけが足腰の発育にとてもよいのです。人は四足から立ち上がって二本足で歩くようになりました。赤ん坊がお母さんのおなかの中で成長する中で、魚類、両生類、哺乳類、そして霊長類へと変化していくことはよく知られています。これは系統発生を繰り返すということなのですが、同じ事として四足の時代を経なければ二足歩行もままならないという事がいえます。

四足の時代とは赤ん坊のハイハイの時代です。人はほかの動物よりも未完成なうちに出生してしまうことも常識ですが、出生後に未完成な部分が正常に発育しないと二足歩行の人類としての完成にはなりません。四足の時代(ハイハイの時代)が短いと、人としては未完成なままですし、立ち上がってしまうと四足の時代はもうほとんど経験することはないでしょう。成人後の身体の機能に大きな影響があります。それを補うのが小学校の雑巾がけだったのです。家の手伝いもやらなくなってしまいました。家のお姫様お殿さまでは大きくなっても、身体は未完成のままです。姿勢の悪い人の要因には次のようなものもあります。

  • いつもだらだらとしている。脱力していることが多い。
  • あまり歩かない。(→非常に重要 かなり関係が深い)
  • 食事のときに前かがみになって食べたり、横を向いて食べている。唇を開けたままで食べる。片手をテーブルの下に下げている。
  • 足を組む習慣がある。
  • 高いところから落ちた。
  • 交通事故に遭った。
  • 高いハイヒールをよく履く。
  • 高枕でテレビを見ている。(頭をソファーの下部にあて、首を直角に立ててテレビを見るなど)
  • うつ伏せで寝ている。うつ伏せで本を読む習慣がある。横向きに寝る。
  • 高い枕を使っている。(就寝時)
  • いつも椅子の背もたれに寄りかかって座る。(座っていることの多い人の場合)
  • ふかぶかしたソファーによく座る。
  • ぺったんこ座り、体育座り、あぐら、足の投げ出し座りをよくしている。
    (特に体育座りなどの尾骨を抑えた姿勢は側湾症の原因にもなります。)
  • 自転車によく乗る。
  • 睡眠時間が極端に長い。(何時までもだらだら寝ていることはよくありません)
    背骨の生理的湾曲がなくなります。
    ※構造医学では非加重といいます。ヒトは適度な加重(重力)がかかっている事が生理的です。
  • ソファーで寝てしまうことがある。
  • 顔、肩、腰、足首、などが同方向を向いていない。身体がねじれている。身体をねじっている時間が長い。身体を対称に使っていない。

直す方法

  • 意識していわゆるしゃっきりした生活をする。
  • 一日40分ほど歩く。
  • 少なくとも上記のようなこと(1~17)を行わない。

いつも口が閉まっていない

口元の習慣で年齢に関係なく歯列は変わります。口唇を閉める習慣をつけましょう。そして上下の歯自体は噛んでいないようにしましょう。唇は閉じていながら、上下の歯は当たっていないようにすることが大事です。しっかり口を閉めていれば、歯列は、口の中で収まるようにその位置を落ちつかせます。閉まりきっていないと、口の外に押し出されてきます。あるいは食いしばる癖があると歯列は徐々に乱れてきたり、骨の中にめり込んでいったりします。また、歯を合わせたままにしていると、バランサーとしての顎の働きが失われ、全身の傾きに移行することになります。これはさまざまな病気の引き金です。食べるときも唇をあけて食べる習慣はだめです。しっかり唇を閉じてもぐもぐと食べましょう。

直す方法

  • 口を閉じる。閉じづらくても閉じる。(簡単だ!)

咬む回数

口元の習慣で年齢に関係なく歯列は変わります。口唇を閉める習慣をつけましょう。そして上下の歯自体は噛んでいないようにしましょう。唇は閉じていながら、上下の歯は当たっていないようにすることが大事です。しっかり口を閉めていれば、歯列は、口の中で収まるようにその位置を落ちつかせます。閉まりきっていないと、口の外に押し出されてきます。あるいは食いしばる癖があると歯列は徐々に乱れてきたり、骨の中にめり込んでいったりします。また、歯を合わせたままにしていると、バランサーとしての顎の働きが失われ、全身の傾きに移行することになります。これはさまざまな病気の引き金です。食べるときも唇をあけて食べる習慣はだめです。しっかり唇を閉じてもぐもぐと食べましょう。

もちろんパカッと開いている人はいません。でも注意して見てください。行き交う人々のうち、口が半開きに開いている人の多いこと。ある高校の集合写真では2/3の生徒の口が閉まっていませんでした。(多数決で決めればそっちが正常?そんなわけない!)唇が少し開いていることで歯列に加わる力に部分的な偏りが生じ、長年の間に歯槽骨(歯が植わっている骨)に変形が起こります。変形は両側上顎犬歯(糸切り歯)と第一小臼歯(真中から4番目の歯)あたりの歯列の幅の縮小または未発育という形で起こります。つまり、上顎の歯列の形がU字形ではなくV字形になってしまうのです。

そうなるとどうなるでしょうか。上の前歯は前に飛び出してきます。(唇が開いているので簡単に出てきます。)下顎は普通に噛み合ったときに上の前歯の狭くなった所と当たってしまうため、顎全体を奥に押し込めて噛まないと噛めません。大人が子供用のスリッパを履いたようにスリッパの先(上顎の前歯)まで親指(下顎の前歯)は届かないのです。こうしてめでたく上顎前突への第一歩が踏み出されるのです。お母さん方のなかでお子さんに、昔の人がしたように「口を閉めなさい」と言って育てている方は賢明です。それは歯並びの正常な育成への第一歩です。

口が少しでも(1mmでも!)開いていると必ず口呼吸が行われています。口唇が開いていると鼻呼吸をしていても、呼吸の度に口からも空気は引き込まれます。(ペルヌーイの法則)実は唇が閉まっているのに口の中が乾燥する人がいます。これもベルヌーイの法則で、鼻呼吸の度に、その空気の流れが口腔内の湿気を引き出しているのです。そのため口腔乾燥症が発生し口呼吸と同じ症状を出します。これを防いでいるのは舌です。舌が上顎の天井にぺったりついていることで通常は空気の出入を止めています。口呼吸はすべてのアレルギー(喘息、アトピー、肌荒れ、むくみ、アレルギー性結膜炎、アレルギー性中耳炎、慢性鼻炎、すべてが含まれます)の原因になります。また、口が乾燥するため、虫歯の原因にもなります。口の閉まっていない子供の上顎の前歯の間の虫歯がその最も典型的な虫歯です!

関連することとして普段から鼻を使った腹式呼吸をするようにすることも大事です。鼻呼吸を意識した動き方を習得していないと、習慣もつきません。ゆっくりした大きな横隔膜の上下の運動は内臓内の停滞した血液の再循環にも非常に役立ちます。またお尻の穴を閉めることも口を閉じる習慣には必要です。お尻の穴を閉めましょう。口とお尻の穴は連動しています。

意識して口をつむる必要があります。唇の力が弱くてつむっていられない人のためのトレーニングの器械もあります。

直す方法

  • たくさん噛む。目標すくなくとも30回。どろどろになってもまだ噛む。
  • 足の平を床(あるいは足置き台)につける。

舌やアゴに癖がある

特に受け口の傾向のある人は大多数の割合で、下顎で遊ぶ癖があります。あるいは下顎を前に出しながら浮かせている癖があります。なんとなく下顎を前に出している癖があり、それに唇を開けている癖が重なると、下顎はどんどん前に出てしまいます。ひどくならないうちにやめないと、伸びきった下顎に合わせて骨が成長してしまい矯正だけでは治せなくなってしまいます。骨はいったん大きくなると縮まりません。

また、舌を前歯に付けている癖のある人は前歯が前に押しだされてしまい、前歯同士が噛まなくなります。舌は上顎に張り付いているのが正しいしまい方です。自分で悪くしているわけですから、癖をやめないと歯を矯正しても再発します。

上顎は舌によって上へ持ち上げられているのが正しい位置です。上顎は舌に支えられてその形を保っているともいえます。舌先は上顎の肉の部分にあり舌の側方部は上顎の臼歯に接していることが正しい位置です。そして舌根部が軟口に接していることも大事なポイントです。舌先が上下の前歯や下の前歯触っていることはよくありません。

直す方法

  • 意識して癖をやめる。唇を意識して閉める。閉めづらくても閉める。癖だからすごく難しい。でもやめないと、悪循環は切れません。薬を飲めば治るということではありません。自分自身で治すという気が必要です。何かに頼っているうちは治りません。将来、歯のあたり方のきつい奥の歯から順番にだめになっていってしまいます。歯は消耗品です。(身体も消耗品。無理しちゃいけません。)
    パタカラをたくさん行う。べろの出し入れを100回以上毎日行う。

ストレス

心理的なストレスが噛み合わせを変えてしまいます。一番わかるのが、ぐっと歯を食いしばっている人。レントゲンで見ると、歯は骨の中にめり込んでいます。長い時間では顔が短くなっていきます。若かった頃と顔の形が変わってきていませんか?頑張ることも大事ですが、身体を傷めないようにしましょう。上下の歯を普通のときは離していないといけません。唇は閉じていないといけませんが、歯同士はカチンと当たっていてはいけないのです。力をこめて噛んでいなくても当てているだけで歯列と顎関節によくない影響があります。顎関節症の人にこの癖が多いことが知られています。

子供達はどうでしょうか?良い子であればあるほど親の無言の期待に応えようと頑張ります。その気持ちが特有の歯並びを作ります。上顎の前歯が内側に向かって生え、噛み合うと下の前歯が上の前歯に隠れて見えなくなってしまう噛み合わせです。家にばかりいてうつむいていることの多いお子さん(ファミコンの姿勢)の噛み合わせも力の関係で同じ傾向をもちます。普段の顔の向き、角度が歯列に影響します。 (歯周病もストレスから進行します。このような人はプラークだけが原因ではないので歯ブラシだけではなかなか治りません。)

治す方法

子供の社会は大人以上にストレス社会です。親身になって会話をすることです。話すだけでも心が晴れます。直接ストレスの原因について話さなくてもよいのです。解決策や結論を出す必要もありません。話すことだけでもストレスは解消されます。人間は精神的な生き物なのです。そしてお母さん、この子はこういう子なのだと思わないで下さい。あなたのその思いは言わなくてもお子さんに伝わっています。その思いはお子さんの未来を奪っているのです。その思いは心に葛藤を生み出します。もっと子供さんの未来はどこまでも伸びていくことを信じて下さい。
特に女性の方、家庭の問題、お子さんの問題、ご主人の問題、姑さんの問題、たくさんあるでしょうが、うまくかわして下さい。同じことでも受け止め方で違ってきます。心の持ちようでもあります。自分ひとりの中に背負い込まないようにしましょう。ストレスが身体の構造を変化させてしまいます。
こうあらねばならない、という考えはやめることです。ルールさえ守れば生き方が個人個人で違うのは当たり前であり、同じであることのほうがおかしいのです。身体の具合が悪いことで何か得していることはありませんか?周りの人から気を使ってくれることに寄りかかっていませんか?その心は身体の回復を遅らせ、噛み合わせを変化させます。持続すると非可逆的変化となり、歯列は元に戻れません。

食べ物

はっきりとはわかりませんが、添加物の多い食物を成長期に食べていることで不正歯列が進むという研究報告もあります。咀しゃくの項目と重複しますが、添加物の多い近代的な食べ物を摂りだした民族と世代から、不正咬合は始まっています。兄弟でも、育つ時期に文明化した食べ物を摂りだした下の子に不正咬合が出現したという記録もあります。いろいろな点からも添加物は身体にとって決してプラスになることはありません。できる限り、添加物のないものを食べるということが大切でしょう。医食同源という言葉もありますが、食べ物で身体を反対に傷めていることも十分あるのです。単に歯並びの観点からだけではなく、身体全体として、よくないといわれている食べ物はできれば避けたほうが無難でしょう。特に輸入生鮮食品はポストハーベストの問題も含めて国内産のものに比べて非常に危険なものが多いので注意が必要です。

外傷

交通外傷などの外部からの力による、骨盤、脊柱(頚椎、腰椎、仙骨)等の不連続が噛みあわせに影響を与え、歯並びに出ることもあります。特に小さい頃に強い外力にあった場合(よくあるのが交通事故、衝突によるしりもちなど)は、見た目には怪我などないように見えても意外と骨と骨のつながりにその跡が残っている場合があります。落下、転落、しりもちなどが最も考えられることですが、これらのことにより、関節間の離開、角加速度損傷が生じ、さまざまな症状が出ます。カイロ、整体治療などを受けた方はお分かりと思いますが、ほんの少しの身体に対する力の入力が、非常に大きな影響を全身に与えます。交通事故の経験者であれば、ほんの少しの鞭打ちでも、目が回り、吐き気が止まらないといったことはごくざらにあることはご承知でしょう。レントゲンではわかりません。
整形外科でも原因不明として、治療は対症療法にとどまります。そしてこれらの力の入力は歯列の形成に対しても少なからず影響を与えます。しりもちなどをして、それまで何ともなかったはずなのに、前歯が当たらなくなることがあります。