新陳代謝の材料であるタンパク質について

脳が十分働くには新陳代謝の材料であるタンパク質が必要

今月の話題はタンパク質と脂質の不足です。

脳が十分働くためには糖質よりもタンパク質と脂質が実は重要です。
ホモサピエンスの脳が巨大化したのは肉食を始めてからといわれています。
タンパク質がエネルギーとなり、脳の進化へ繋がったと考えられています。
脳の材料の主なものはタンパク質と脂質です。
タンパク質は常に分解され消費されるため、毎日の補給が必要です。

脳の神経細胞の周りを埋めているグリア細胞は神経繊維の電気信号を漏電させない役割があります。
グリア細胞が完成するのは2歳ころです。
グリア細胞と神経細胞はそれぞれ脂質から作られた膜により包まれており、この膜が絶縁体となって電気信号を漏らさないように作用しています。

神経細胞の電気信号が漏電すると信号が伝わらず脳の働きが低下します。
情報がうまく伝わらないと記憶や学習が定着しません。

脳に良い脂質は?

酸化しにくい飽和脂肪酸の摂取が推奨されます。
菓子類、マーガリン、ドレッシングに使われるサラダ油、オリーブオイルは不飽和脂肪酸で、酸化しやすく推奨できません。

脳に良い脂質としてあげれらるのは卵に多く含まれるレシチンです。
レシチンは脳の細胞膜を作る主な脂質です。
学習や記憶、睡眠にかかわるアセチルコリンの材料ともなります。

精神的な病も含めた慢性的な疾患、だるい、重い、つらいなどの不調の原因は必要な栄養素の絶対量が足りていない質的な栄養失調にあるからと考えられます。
糖質過多、タンパク質不足、脂肪酸不足、ビタミン不足、ミネラル不足などです。

成人に必要なタンパク質の量について

やる気、集中力は神経伝達物質の分泌が関与します。
これもタンパク質不足、脂肪酸不足が原因であることが考えられます。

成人が一日で摂取するべきタンパク質は概ね体重1キロにつき1グラムです。
体重50㎏の人の場合50gのタンパク質が必要です。
タンパク質10gを摂取するのに必要な食材は、牛肉で65g、鶏肉55g、卵79g(1.5個)、豆腐330g、米飯650g、ジャガイモ1097gです。
成長期の中高校生、妊娠授乳期の女性では体重×1.5が必要です。

タンパク質を摂取する方法

タンパク質を豆腐でとろうとすると1日6丁が必要となり、現実的ではありません。
糖分や炭水化物を減らしてタンパク質をとるようにするのですが、いきなり糖質を減らしてしまうと体調不良を起こすことがあります。
タンパク質と鉄不足の人はミトコンドリアも弱体化しており、いきなりの変化は負担が大きいからです。

糖質、炭水化物を半分程度にし、徐々にタンパク質を増やすようにします。
必要量のタンパク質を食物だけでとるのは困難なため、プロテインなどの補助食品を使うと効率的です。