ストレートネックについて

ストレートネックは腕のしびれや痛みの原因になっていることがある

今月の話題はストレートネックです。
頸椎は前に凸の湾曲を持っていることが知られています。
近年のスマフォ使用時の姿勢では、うつむきがちの姿勢となり、頸椎の前弯を打ち消すようなことになります。

ヒトの体は一定の時間同じ姿勢をとるとその形を維持しようとするようになり、うつむきがちの姿勢を止めて顔を持ち上げてもストレートの形のままでいることが多くあります。
人の脊椎もいわゆるS状カーブを持ち、胸椎は後湾、腰椎は前弯を描いています。
それぞれは関連性を持ち、頸椎、胸椎、腰椎は一部の湾曲が強まると他の湾曲も強まり、反対に一部の湾曲が弱まると他の湾曲も弱まります。

仙骨がボリュームがあるため仙骨の傾きが、最も他の脊椎湾曲に影響を与えます。
脊椎の湾曲が弱まると背骨は平らになり、いわゆる平背の形となります。
脊椎の中を走る脊髄神経はS状湾曲のある時はカーブの場所ごとに車レースの時のようにインコーナーを走り最短の走行となりますが、湾曲が弱くなるとインコースをとることができず、湾曲の強い場合よりも遠い距離を走らざるを得ません。

引き延ばされた神経を伝わる神経伝達はやや伝達速度が遅くなる

引き延ばされた神経を伝わる神経伝達はやや伝達速度が遅くなります。
ストレートネックではその名の通り最短の距離を神経は走行できず、やや引き延ばされた走行となり、脳からの指令に遅延が起こります。

人は寝ている間に脊柱は引き延ばされ、湾曲は弱くなり、起き上って活動をすると重力により押しつぶされて脊柱はS状の湾曲を取ります。
起床時の身長のほうが就寝時の身長より長いのはそのためです。

S状が弱い人は起床時よりも少し起き上って活動した時のほうが頭が働きます。
総じて湾曲の弱い人は朝に弱い傾向があります。
しばらくぼーっとしており、重力でS状がついてくると覚醒します。
S状が強い傾向の人は朝が強く、起床時から頭脳は回転早く動きます。

スマフォによるストレートネックは頭脳の回転を自ら遅くすることとなります。
頸椎の斜角筋の間には鎖骨下動静脈と頚椀神経叢がはさまれており、頸椎の位置が変わると肩の位置も巻き肩となり、鋏まれている脈管神経は引き伸ばされてしまいます。
神経伝達が影響され、腕のしびれや痛みの原因となります。