眼鏡とコンタクトレンズの違いについて
メガネとコンタクトレンズの違いについて
今月の話題はメガネとコンタクトレンズの違い、コンタクトレンズにはプリズム作用(収差)の影響が少ないことについてです。
光がレンズを通過するときの位置や方向、波長の違いにより光が収束する位置がずれる現象を収差といいます。
コンタクトレンズはレンズと目の間に隙間がなく、レンズの光学中心と視軸とのずれが小さいことにより収差の影響をほとんど受けません。
メガネはレンズの中心で物を見るようにできていますが、中心を外れて物を見ると物体が二重に見えます。
これをプリズム作用(収差)と言います。
長時間この状態が続くと目が疲れ、頭痛、肩こり、めまいの原因となることがあります。
不同視(左右の視力差がある場合)の方がメガネで見ると光が目に入るまでに像のサイズが変わり、さらに左右がちぐはぐに見えてしまいます。
また、近視用レンズの場合レンズの外側が厚く、中心が薄くなるため光がレンズの薄いほうへ引っ張られ収縮して目が小さく見えたり顔の輪郭がへこんで見えます。
これもプリズム効果です。
視力0.1以下の方の場合に出やすくなります。
色収差と単収差について
目とレンズの距離を近づけると弱まり、収差には色収差と単収差があります。
白色の太陽光はレンズを通るとプリズム効果で、波長の違いにより光の屈折率が異なり、色が分解(分散)します。
光の到達点が異なるため、色分解した光が見えてしまいます。いわゆる屈折率の違いによるにじみの発生です。
これが色収差です。
にじみが出る程度はレンズ素材のアッベ数で表し、アッベ数が小さい素材のレンズは屈折率が大きいことを表します。
蛍光灯の周り、黒い文字や線の周辺などににじみ現象が起こります。
色収差には2種類あり、縦収差と横収差があります。
縦収差は焦点が前後にずれるもの。横収差は焦点平面内で横にずれるものです。
いずれも色による光の屈折率の違いにより、結像位置が異なるために起こる現象です。
縦収差は、赤に焦点を合わせると周りが青紫のボケができ、青に焦点を合わせると青い輝点の周りに赤いボケができます。
横収差では斜めに入光すると波長により倍率の違いがおこり、画面の周辺に色ずれが見えます。
縦収差はカメラのレンズでは絞りを絞り込むことで、抑えることができますが、横収差(倍率収差)はレンズ主光線でも起こっていることなので絞りでは抑えられません。
カメラでは屈折率と分散が異なる素材のレンズを組み合わせて使うことで色収差の影響を少なくする方法がとられています。
屈折率の違う素材の凸レンズと凹レンズを組み合わせます。
単色収差には5種類あり、球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、ひずみ収差があります。これは単色でも起こる現象です。
メガネよりもコンタクトレンズのほうがレンズとの距離が少ないため収差(色収差、単色収差共に)が出ずらく、色・画像のボケは少なくなります。