インフルエンザ

今月の話題はインフルエンザです。現在流行しているインフルエンザはA香港型が41%、Aソ連型が45%、B型が14%の流行状態です。すでに昨年を上回る感染が報告されています。インフルエンザは感染すると1~2日の潜伏期間を経て高熱と様々な全身症状が4~6日続きます。発症は突然で、急激に38度~40度まで上がり、そのまま高熱が持続します。3日目くらいに一時解熱し、その後24時間以内に再び急激に発熱する2峰性を示すこともあります。診断は簡便なキットがあり、15分ほどでA型B型を診断できます。

治療は抗ウィルス薬によるウィルス増殖の抑制です。ウィルス感染後増殖のピークとなる48時間以内に服用を開始しないと効果がありません。オセルタミビル(タミフル?内服)やザナミビル(リレンザ?吸入)が一般に投与されます。リレンザは吸入が難しいということで5歳以下では適応ではありません。タミフルは特異行動発生報告により、10歳から20歳までは使用制限になっています。いずれは治る病気であるため、また、薬剤にはさまざまなことがあるので、最近は薬剤を使わず、体力の回復に専念するというお母さんも多いようです。2001年まではこれらの薬は保険外で、使用はほとんどなかったことを考えると、ある医師は、熱が1日~2日長く続くことを覚悟すれば、使用しなくてもいいのではないかと言っています。

脱水を防ぐため水分や一口大の氷をこまめに摂取するのがよいでしょう。一般解熱剤はインフルエンザ脳症との関連があるため、アセトアミノフェン(カロナール?等)のみ処方されますが、安易な解熱剤の服用は避けるべきです。氷のうを活用することが最も安全で効果的です。冷却シップは有効ではありません。

予防はマスクの着用、手洗い、うがい(当院のEO水はおススメです。効力は1週間ですが‥)を励行すること、が第一で、睡眠不足などないように、体力を落とさないようにすることが基本です。

ワクチンは鶏卵から作られるため鶏卵アレルギーのある場合は、接種には医師との検討が必要です。