脳内処理の仕方での日本人と外国人の違いについて

脳内処理の仕方での日本人と外国人の違いについて

今月の話題は虫の声の脳内処理の仕方での日本人と外国人の違いです。

脳は左半球と右半球に分かれており、処理する内容を分担しています。

脳の左側を優位半球、言語脳といい、右半球を劣位半球、音楽脳といいます。

左右が逆転している人もいます。

優位半球と劣位半球

言語と音楽は同じ半球ではなく、別々の半球で処理されます。

優位半球では言語的、観念構成的、分析的、時間連鎖的、算術的、計算機類似的なものを処理します。

劣位半球では音楽的、絵画的、図形的、合成的、全体論的、幾何学的、空間的なものを処理します。

コミュニケーションについては左側のみ活動し、右は休止しています。

日本人は世界で唯一、コオロギの声を言葉として聞く民族

日本人の場合、虫の声は言語脳である左半球で処理されます。

西洋人では虫の声には言語的要素はなく、雑音でしかないことが判明しています。

中国人、韓国人、インド人、タイ人、ベトナム人もみな、虫の声は右で処理され雑音でしかありませんでした。

西洋人の場合、自然界の音は楽器や機械音と同じく無意味音として劣位脳で処理されます。

西洋楽器の音、コオロギの声、クーラーの発する音、すべて同じく無意味音です。

日本人ではクーラーや西洋楽器の音は西洋人と同じく無意味音ですが、鳥の声や動物の声、虫の声は言葉を処理する側で処理されます。

これは脳内での母音の扱い方の違いによるとされています。

言語における母音の扱い方

イタリア語、ポルトガル語、スペイン語は発音の面では日本語とよく似ていますが、母音主体であっても母音一つ一つが意味を待っている言葉ではありません。

日本語以外の言語では単一母音は有意語をほとんど持ちません。

母音の二つ以上の組み合わせからなる有意語は更に日本語では豊富ですが他言語では非常に数が少ないです。

また、すべての開音節では母音で終わることから、日本語における母音のウエイトがとても大きいことが分かっています。

聴覚と脳について

聴神経は脳のオリーブ核で左右の神経線維の大部分が交差します。

聴神経も運動神経や視神経のように対側支配が主です。

右耳は左脳、左耳は右脳との結びつきが主となります。

左耳から入った言葉も右脳→脳梁をへて左脳の言語中枢に照合されます。

右耳からの信号は同側の繊維を経て言語脳に達します。

左右同時に異なった言葉を聞かせ、両方の言葉をできるだけ答えさせるテストでどちらの半球で多くの処理がなされたのかを確かめるテストがあります(分離脳テスト)。

言葉ではなく計算問題を聞かせる方法もあります。

西洋人、日本人を被験者として検査をしてみたところ、

西欧人、日系ブラジル人等は、コオロギ、ハミング、猫の声、牛の声、母音合成母音、人間の感情的な声、虫の声、動物の鳴き声を劣位半球非言語脳で優位に処理していました。

それに対して日本人では言語音、感情的な人の声、昆虫、小鳥、動物の声、和楽器の音(笙、三味線、尺八、篠笛)波の音を言語脳で処理していました。

日系2世のブラジル人は西欧型、在日韓国人2世は日本型、の大脳半球処理をしていることから、遺伝的な要因が原因ではなく、第1言語としての言語が音の処理の仕方を決定していると考えられます。

このことは和歌、俳句、わびさび等の発達に大きく関与してきていると考えられています。