良性発作性頭位めまい症

立川の矯正歯科、山下矯正歯科です。
今月の話題は良性発作性頭位めまい症です。

内耳の障害のめまいのうち約60%を占めます。メニエール病で起こるのは20%以下であるといわれています。長時間同じ姿勢をしていると起こりやすい考えとられています。いつも同じ向きで寝ていたり、睡眠時の頭の位置が低いとなりやすいといわれています。

良性発作性頭位めまい症ってどんな病気?

耳は外耳、中耳、内耳に分かれ、最奥の内耳には平衡感覚を司る前庭、三半規管、そして聴覚を脳に伝える役割を果たす蝸牛があります。

三半規管は外側半規管、前半規管、後半規管の3つに分かれます。内耳からの信号と目などの感覚器からの信号が不一致の時に脳が混乱を生じめまいが発生します。内耳の卵形嚢には炭酸カルシウムでできた耳石があり、頭の動きに応じて耳石が動くと傾いているという信号が脳に伝わります。

三半規管はリンパの動きで主に回転運動を感知し、耳石は直線運動や傾きを感知します。耳石は数百個耳石器についており、常に代謝してはがれたカスが、卵形嚢にたまります。この浮遊耳石が三半規管の中に入ってしまうと三半規管の中のリンパ液が動き、体が動いていないのに動いているという信号が脳へ送られ、他の感覚器からの信号と矛盾が生じ、めまいが発生します。リンパの流れが止まるとめまいも止まります。10秒から20秒程度の短い時間で収まるのが特徴です。

最も入り込みやすいのは三半規管のうち後半規管です。横になったときに卵形嚢より低い位置になるためです。

浮遊耳石とは

①三半規管の中を浮遊する(半規管結石型)
②規管内のクプラという部分に付着する(クプラ結石型)
の二通りになります。

クプラに付着した場合は重さでクプラがゆがむためめまいの時間は長くなり、クプラの位置が縦向きになるように仰向けで、症状のない側へ向くと収まります。耳石がくっついて大きくなるとめまいの時間はさらに長くなります。

検査・診断はどのように行われる?

診断は眼振検査を行います。後半規管に浮遊耳石が入ったと診断されたときは頭位治療により耳石を追い出します。頭位治療は6割程度の有効率といわれています。耳石の位置を確認したのち、頭をゆっくり動かして、後半規管から耳石を追い出します。後半規管の位置は耳介の位置と似ています。

右の後半規管に入ったと診断された場合

①座位の位置から横になります。
②頭を右45度捻転させ懸垂頭位をとります。浮遊耳石は後半規管の真ん中に移動します。
③懸垂頭位のまま首を左へ45度捻転します。
④さらに体全体を左へ90度回転し、体全体を左に向けます。耳石はまだ後半規管の真ん中にあります。
⑤頭と体の位置関係をそのままにして体を起こします。浮遊耳石は後半規管から膨大部へ流れ出ていきます。