紫外線で色あせることなく、顔料のように環境を汚染することのない構造色は研究の最先端です。歯科でも研究開発が進んでいます。

  • 紫外線で色あせることなく、顔料のように環境を汚染することのない構造色は研究の最先端です。歯科でも研究開発が進んでいます。

立川の矯正専門歯科、山下矯正歯科です。

今月の話題は構造色です。

構造色とは?

構造色は色素による発色ではなく、光の干渉や、回析により、発色する色です。シャボン玉の表面に太陽の光があたると、虹色の層が現れます。これはシャボン玉そのものが色を持っているのではなく、シャボン玉の表面に現れた光の屈折と干渉が起こした発色です。

生き物が持つ構造色

鳥や昆虫のような生き物でも実際には色素を持たずに物理的構造に基づく光の反射で発色している場合が多くあります。クジャクの羽の色、モルフォ蝶の羽の色、玉虫や甲虫の羽、魚の青や銀色などがあります。構造色の発色の理論は以下です。

どんなに薄い膜でも実際には厚みがあり、

①膜の表面で反射した光と、

②膜の表面を屈折通過し、膜の裏面で反射し、膜の表面でさらに屈折して外に出てきた光があります。

この二つの光がお互いに干渉して強め合ったり、打ち消しあったりしてシャボン玉の虹色が発色します(薄膜干渉)。光を反射する層が何層にも重なっていると薄膜干渉よりも複雑な光の干渉を起こします(重層薄膜干渉)。膜の厚さや層の数、並び方を変えることで、さまざまな色を発色することができます。屈折率の高い層と低い層が入射光の4分の1の光学的厚さで重なっていると反射率が非常に高くなり、さらに重なりの層数を増やすことで反射率を上げると、魚の銀色が発色されます(理想型重層薄膜干渉現象)。

サンマ、イワシが頂点?

光の波長ですべてを混ぜると白になると言われますが、その頂点がサンマ、イワシなどの魚の銀色です。屈折率の高い層の厚みが極端に薄くなると、反射光の波長域が狭まりその波長域の色がほぼ完全に反射された金属光沢が発色されます(非理想型重層薄膜干渉現象)。このとき反射率は低くなりますが、重なりの層数を増やすことで、反射率を上げことができます。

このようにして発色されているのは熱帯魚のルリスズメダイやネオンテトラの青や緑の色です。モルフォ蝶の鮮やかなブルーも鱗粉上の棚構造のクチクラと空気の層による非理想型重層薄膜干渉現象によります。鱗粉表面の格子状の構造が青の光の波長の半分である200ミクロン間隔に並んで、干渉により青色のみが反射されて発色します。

科学的に発色を再現した物も!

近年ポリエステルとナイロンの薄膜成層により光の反射で発色する生地も開発されました。光の散乱による発色はチンダルブルーといい、空の青さや白人の青い瞳がそれです。アゲハ蝶の色も散乱によるものです。トヨタのレクサスにも構造色は取り入れられ、反射率の高いアルミの層と反射率の低い硫化亜鉛の層を7層反射させてブルーの構造色を作り出しています。

構造色は歯科で使うレシン充填材にも取り入れられ、どの色の歯にもあうワンシェードレジンが開発されました(トクヤマ:日本未発売)。カメレオン効果といわれています(まだ不十分な部分もあります)。紫外線で色あせることなく、顔料のように環境を汚染することのない構造色は研究の最先端です。