大学入学試験のスコアは、成人後の成功とは無関係でした。グリット(やり抜く力)のスコアのみが生涯の成功を予測できました。

  • 大学入学試験のスコアは、成人後の成功とは無関係でした。グリット(やり抜く力)のスコアのみが生涯の成功を予測できました。

今月の話題はグリット(やり抜く力)です。アメリカの心理学者アンジェラ・ダックワースが紹介した成功者に共通する能力です。

生涯の業績の達成の方程式は、才能×努力でスキル(技能、能力)を得、スキル×努力で達成を得ます。達成は努力の二乗で得られ、努力がないと達成もなく、努力が達成に大きく影響することがわかります。

努力はすなわちグリットです。才能だけでは成功できないことがわかっています。授業で呑み込みの早い子供が、必ずしも良い成績を取るとは限らないことがその証拠です。地道な努力の末に偉大な成功を得ることは一般的にも異論のないところです。
やり抜く力(グリット)は、情熱(同じ目標にどれだけ興味を持ち続け、継続的に取り組んでいるか)と、粘り強さ(困難や挫折を味わってもあきらめずに努力し続けること)の二つの要素で構成されています。子供には最後までやる習慣を身につけさせることがグリットの育成につながります。
課外活動を1年以上続けて行っている子供たちの方が学校の成績が良く、自尊心も高く、問題を起こすことも少ないことが分かっています。2年以上続け、さらに活動時間が長い生徒ほど就業率も良く、成長してからの収入も高い傾向にあります。
高校の成績と大学入学試験のスコアは、成人してからの成功とは無関係でした。最後までやりとおすことができるかどうかグリットのスコアが成人後の成功を予測できる決定的要素でした。やりとおすことでやり抜く力が鍛えられ、最後までやりとおす経験から人格が形成されます。
アメリカの入学試験での評価法は日本の学力のみの評価と異なり、課外活動をいかに行い成果を上げてきたかが大きなポイントになります。アメリカは国を挙げてグリットを伸ばすことに注目しています。やり抜く力が身につく4つのルールは以下です。
①家族全員(パパもママも)ひとつはハードなことに挑戦する。日常的に意図的な練習をする。
②やめてもよいが、区切りのよい時期が来るまではやめてはならない。
③ハードなことは自分で選ぶ。
④高校生以上になったら、新しいことでも今やっていることでも、最低でも2年は続ける。

人格形成の対応原則として、周囲を取り巻く人々の価値観が自分の信念に変わります。やり抜く力の強い集団の一員となると、それが普通であると感じ、習得づけが容易になります。偉大な選手になるには偉大なチームに入ることが近道であるともいわれています。
一歩ずつでも前に進むこと、興味のある重要な目標に粘り強く取り組むこと、厳しい練習を毎日、何年間も続けること、7回転んだら8回起き上ること。そして、やり抜く力が強い人ほど人生の幸福感も強いことが分かっています。